✿ 第8回桜区市民講座
「アベノミクスを斬る」
講師:伊藤修さん(埼玉大学副学長)
2019年9月28日  土合公民館


第8回桜区市民講座  冒頭に先生は、“アベノミクスの成果として*円高から円安になった*株価が上がった*人手不足になった=雇用が増えた”の3点が言われているが、これらはみな外的な要因によるものであって、成果ではないということを説明してくださいました。

 次に激しい人口減少や、極めて低い有配偶率、生産力の低下による需給ギャップの解消、最近の潜在成長率など、現在の問題点についてデータを示して説明をしていただきました。

 これらの考察で明らかになったのは、縮小サイクルとそれによる社会の歪みです。所得の多少、正規・非正規の差で異なる有配偶者率は民族の再生産さえ破壊していることを示していました。アベノミクスの経済政策の異次元の金融緩和によって生み出されたのは国債バブルと財政破綻の二つのリスクです。
現下の本当の課題として次の2点を挙げていただきました。
@賃上げ・社会保障ミニマム(誰もが生活できる最低限の年金を支給する)・投資誘導・教育研究の 重視によって、削減→萎縮の悪循環をやめること。
A最低賃金引上げ(現在平均賃金の4割を6割まで上げる)・身分制撤廃・長時間労働、ブラック停止・税制は応能主義を実行することで社会の歪みをとめること。

 日頃学生を相手に抗議をなさっているので、経済の話を大変分かりやすく話していただきました。日ごろ感じている安倍政府に対する疑問を明らかにしていただき、大変有意義な講演会でした。