「香り」の元になる化学物質による健康被害=「香害(こうがい)」が増えていることから、『香害110番』の上映会と田中輝子さんのリモート講演会を開催しました。
当日17人の参加者がありました。
DVDは、香害被害者の様子、香害の原因・メカニズム、今後取り組むべきこと、市民・消費者連盟・自治体・学校などの動きを紹介しています。
香害はだれにでも起こりうること、予防原則の考え方、化学物質過敏症の人にやさしい環境はだれにとっても暮らしやすいなど、考えさせられる内容でした。
リモート講演の講師の田中さんは「香害110番」の取り組みの中心となった方で、分かりやすくお話していただきました。
主な内容を紹介いたします。
●合成洗剤の問題点…分解性が良くないので、皮膚障害、動植物に悪影響、発がん補助作用、妊娠率低下・殺精子作用、アレルギー・化学物質過敏症の原因になる。
●香害の主な4つの原因…香料、柔軟仕上げ剤、マイクロカプセル、合成洗剤。
●香料の問題点…4000種もの成分があり、国内では約300種、複数の成分が使用されている。
代表的な合成ムスクは環境ホルモン作用で、EUではアレルギーを引き起こしやすい26香料の表示の義務付けがある。
嗅神経は脳から直接出ているので影響受けやすい。
●柔軟仕上げ剤の問題点…毒性の強い陽イオン界面活性剤、殺菌作用で微生物に悪影響を与え、吸水性を高めるため非イオン界面活性剤が配合され魚毒性が高まる。
陽イオン界面活性剤は水質基準がなく健康への影響も心配されます。
●化学物質過敏症…様々な化学物質の許容量が体質の限界を超えると発症する。
脳に作用し自律神経など様々な症状を引き起こす。
●子どもたちが危ない…発症のきっかけの第1位は洗剤・柔軟剤。教育委員会が通知を出している自治体もあるので、埼玉県も早く出してほしい。
●マイクロカプセルの問題点…8割は下水に流れる。
環境での分解が遅く、環境に出たら回収不能。極小なので肺や血液に入る。
花粉より小さく通常のマスクでは防げない。
●私たちにできること…香害を話題にすること。
自分の周りから有害化学物質を無くしていくこと。
香害について自治体や学校などに知らせること。
個人として企業のお客様サービスなどに電話やメールすること。
「地球は未来の子どもたちからの借り物」というメッセージをいただきました。
参加の方からは、近隣の方への伝え方、感染症対策のアルコール消毒、合成洗剤の捨て方などの質問があり、
講師からご自身の体験も交え、回答をいただき、皆さんの関心の高さがうかがえました。
新聞などで少し取り上げられるようになりましたが、まだまだ知られていない「香害」。
埼玉県はポスター(←)を作るなど啓発を進めています。
私たちのできること、ぜひ、取り組みましょう。
学習会が香害改善の一歩となるといいですね。
また、終了後、自治会の掲示板に啓発ポスターを掲示できるよう働きかけをしていこうという提案がありました。(会員Tさん)

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